ダウン症と認知症
Posted on 7月 27, 2017 by DS21.info
ガンに次ぐ国民病と言われる認知症。
厚生労働省の発表(2015年1月)によれば、2012年の国内の認知症患者数は約462万人、65歳以上の約7人に1人(15%)、2025年には約700万人、5人に1人になると推計されています。
認知症にはアルツハイマー型認知症、脳血管型認知症、レビー小体型認知症などいくつかありますが、約67%はアルツハイマー型認知症が原因です。
アイルランドTrinity College Dublinの研究によれば、一般に比べダウン症のある女性は非常に高い罹患率で認知症になり、早期に発症することが分かったそうです。
20年間の研究結果では、その確率は97%以上、発症する平均的な年齢は55歳でした。
一般人口では65歳以上の認知症の罹患率は4.3%から8.6%と推定されていますが、
ダウン症のある人の認知症発症のリスクは50歳で23.4%、55歳で45%、65歳で88%と推定されています。
これまで、ダウン症のある人は認知症発症後の平均生存期間は3から5年と考えられていました。しかし、 Journal of Intellectual Disability Researchによれば平均生存期間は7年で、一部の女性は20年もの間、認知症を患っていることが判明しました。
さらに、ダウン症候群かつ認知症の患者の約80%が、新たに癲癇(てんかん)を発症することが分かりました(一般人口では11%)。
代表執筆者のMary McCarron教授は、政府に対して、これらの現実を適切に反映し、ダウン症のある人々のサービスとケアを保証にする対策を導入するよう要請しました。
Mary McCarron教授によれば、国際的に推奨されるダウン症のある人のチェック(baseline assessment)は35歳であり、これは一般の人と比べると例外的だと言います。結果、ダウン症のある人の多くは、認知症が進行期に至るまで診断されてなかったと指摘しました。
ニュースソース:
Dementia ‘highly prevalent’ among women with Down syndrome
参考)
認知症の「根本治療薬」開発は2025年までに実現なるか?|男の健康|ダイヤモンド・オンライン
富士フイルム、開発中の認知症薬が治験の最終段階に 18年度にも :日本経済新聞