ジェローム・ルジューヌのドキュメンタリー映画
Posted on 1月 14, 2016 by DS21.info
「ダウン症候群」の名称はイギリスの眼科医ジョン・ラングドン・ハイドン・ダウン博士の名前が由来です。
突然ですがクイズです。
ダウン博士は次の写真のうちどちらでしょう?
正解は左の人物です。
右の人物はジェローム・ルジューヌ。
さて、今回は内科医であり遺伝学者ジェロームのお話です。
1958年(昭和33年)、ジェロームが33歳の時、21番目の染色体がトリソミーを形成していることを発見し、国際的な名声を得ました。
このとき臨床遺伝学が誕生しました。
1967年、敬虔なカトリック教徒だった彼は母子に危険がある場合に中絶が許されるフランスの法案(ペイレ法)に反対します。その後、1970年にペイレ法は制定されますが、1975年の妊娠中絶法(ヴェイユ法)にも彼は反対していました。
将来、自分が発見した21番目の染色体が検査化され、中絶に利用されることを懸念していたのかもしれません。
フランス国内が中絶法案に揺れる中、1969年、彼は米国人類遺伝学会 (ASHG)のウィリアム・アラン賞を受賞します。
受賞後、彼は同僚に中絶のモラルについて問いただすような講演をしますが、当時、その視点は同業者では敬遠されていました。
その時の様子を彼は妻に送った手紙に「今日、私は医学のノーベル賞を失った」と綴っています。
その後、ジェロームは1994年4月3日、67歳で死去するまで、ダウン症のある人たちを気にかけ、1996年、その意志を受けてジェローム・ルジューヌ財団が創設されました。
そんな激動の人生を歩んだジェロームの没後20周年を記念したドキュメンタリー映画が制作されました。
フランソワ・レスペ監督はフランス・パリからアメリカ・インディアナポリスまで、友人や同僚、支援者らへのインタビューを通じ、人間ジェローム・ルジューヌを浮き彫りにしました。
DVDはジェローム・ルジューヌ財団から1枚16ドル(郵送料別)で注文可能です。
※オリジナルはフランス語版ですが、これは英語の字幕バージョンです。
http://lejeuneusa.org/now-available-jerome-lejeune-least-these-my-brothers-and-sisters-dvd-0
Jerome Lejeune: To the Least of these my brothers and sisters (Trailer) from Lespes on Vimeo.
参考)
・Jerome Lejeune – Wikipedia, the free encyclopedia
https://en.wikipedia.org/wiki/J%C3%A9r%C3%B4me_Lejeune
・フランスにおける生殖の倫理史
http://www.ccn.yamanashi.ac.jp/~morita/Subjects/studentworks/inoue/chronology.html
・Jerome Lejeune : To the least of these my brothers & sisters | JP2 Film Festival
http://www.jp2filmfestival.com/film/jerome-lejeune-to-the-least-of-these-my-brothers-sisters/