頚椎(けいつい)とダウン症
Posted on 10月 28, 2015 by DS21.info
環軸椎亜脱臼(かんじくついあだっきゅう)をご存知ですか?
2006年の論文「Cervical spine abnormalities associated with Down syndrome」(※1)では、ダウン症のある人の10から20%は環軸椎亜脱臼(第1番目の環椎(かんつい)が第2番目の軸椎(じくつい)に対して前方へずれる状態)であると報告されています。
また、国内(※2)ではダウン症の10~30%にあると言われています。
頸椎(けいつい)とはwikipediaによれば「椎骨の一部で、頭を支えるための骨」です。
頸椎は7つの骨から構成されており、四肢を支配する神経が頚髄にあります。
この1番目と2番目がずれている状態が環軸椎亜脱臼です。
“Cervical vertebrae lateral2” by Anatomography – en:Anatomography (setting page of this image). Licensed under CC BY-SA 2.1 jp via ウィキメディア・コモンズ.
環軸椎亜脱臼の場合、成長の段階で医師が判断となりますが、手術としては1番目と2番目(C1,C2と呼ばれる骨)をワイヤーで整復位を固定し、スクリューによる間接の固定を行うそうです(※2)。
大きくなるまで気が付かずに成長する方も多いようです。
環軸椎亜脱臼の可能性は3歳ごろなればレントゲン撮影でわかるようようです。
お子様が小さいころは定期的に病院へいくことが多いと思いますので、そのタイミングで一度調べてもらうといいかもしれません。
また、小さい頃の手術の方が神経へのダメージが少ないようです。
※1
Cervical spine abnormalities associated with Down syndrome
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2532127/
※2
一般財団法人 脳神経疾患研究所 総合南東北病院
http://www.minamitohoku.or.jp/sekizui/sekizui4-1.htm
※3
環軸椎亜脱臼を合併するダウン症候群に対する手術法(広島総合病院整形外科)
http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~sekitui/other/ronbun/1_6_19.pdf