オマーンの家族たちが社会統合に向けて立ち上がる
Posted on 7月 13, 2015 by DS21.info
アラビア半島の東端に位置するオマーン国。
人口は415万人。
ダウン症の生まれる確率は世界的に1/800ですが、オマーンダウン症協会(ODSA)によるとオマーンは1/380。
国内に1400人以上のダウン症のある子供たちがいます。
ODSAのメンバーは中東・アラビア湾岸地域における地域協力機構である湾岸協力会議(Gulf Cooperation Council)を通じて、これらの地域においてダウン症のある子供の出生率が国際的な平均よりも非常に高いと報告しています。
ダウン症のある子供の出生率はアラブ首長国連邦(UAE)が1/319、クウェートが1/350から1/581、サウジアラビアが1/427から1/546です。
どうしてこのような高い確率なのかについてはほとんど研究されていませんでした。
西欧では35歳以上の女性に生まれることが多いと考えれていますが、中東・アラビア地域では若い女性もダウン症のある子供を出産することがあります。
ある仮説では、中東・アラビア地域では近親婚が慣例であることが原因ではないかと言われていますが、具体的、確定的な証明はされていません。
ODSAのメンバーでありダウン症のある子供の母であるズワイナは言います。
「環境と関係があるかもしれませんが、(先の近親婚の慣例が原因であるとの研究では)決定的なことは分かっていません。」
オマーンダウン症協会(ODSA)は2015年3月21日に誕生。
それまでダウン症のある親のグループが国内200以上の家族をつなげていましたが、子供や家族支援までカバーしきれていませんでした。
そこでODSAは社会で出来るだけ独立した組織として、ダウン症のある子供や家族支援を目的に設立。
協会としてセンターを開き、ダウン症のある子供の小さな学校をつくりたいと言います。
ODSAが目指すゴールの一つは、普通学校(mainstream schools)で身につけることをダウン症のある子供たちに提供することです。
言語療法、理学療法、作業療法を通じて、コミュニケーションや理学的な発達を促し、洋服のボタンを掛けたり、鉛筆を持ったり、学校へ行くために必要な基礎的なスキルを身につけます。
オマーンに住むダウン症のある子供を持つ家族の多くは、子供たちを自宅から出したがりません。それは障がいのある子供たちを持ったことを恥じていたり、どのようなサービスが利用できるかを知らないからです。
ODSAがスキルを身につけるサービスを提供することで、社会的な統合が進みます。
ダウン症のある子供たちが学校へ行く機会を得ることで、独立、自立するスキルを学ぶことができるようになるでしょう。
ODSAのメンバーの一人は言います。
「私たちは子供たちが将来、働き、独立してほしいと思っています。」
ニュースソース:
Times Of Oman :: Oman Down’s Syndrome frequency causes concern
http://timesofoman.com/article/63549/Oman/Health/Oman-health-Raise-more-awareness-on-Downs-Syndrome-among-children
参考)
オマーン・ダウン症協会
http://omandsa.org/