大脳皮質の厚みはダウン症の発達に影響があるか
Posted on 6月 22, 2015 by DS21.info
大脳皮質(Cerebral Cortex)は、大脳の表面に広がる神経細胞の灰白質の薄い層。その厚さは場所によって異なりますが、1.5~4.0mmほどで、知覚、随意運動、思考、推理、記憶など、脳の高次機能を司ります。
アメリカのドレクセル大学Nancy Raitano Lee博士は典型的な成長の青年の脳に比べ、ダウン症のある青年の脳の大脳皮質が平均よりも2から4mm厚いことを発見しました。
調査はダウン症のある青年(45人)と典型的な成長の青年(31人)のMRI検査によって行われました。
ダウン症と大脳皮質の厚みとの相関はありそうですが、その原因はまだ明らかではありません。
しかし、1つの可能性として、ダウン症のある人の脳は典型的な発達の脳に比べ、効果的に過剰な神経接続を切りません。そして、それは知能的成長(cognitive maturity)のプロセスで幼児期と青年期に起こると信じられています。
今回の発見はダウン症の発達におけるプロセスを理解するにあたり、大脳皮質が重要なのではないか、とLee博士は今後の研究に期待しています。
ニュースソース:
Thick cortex could be key in Down syndrome | EurekAlert! Science News
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-06/du-tcc061915.php