PDVを上げることが重要なわけ(世界ダウン症の日2015に寄せて)
Posted on 3月 13, 2015 by DS21.info
PDV、聞き慣れない言葉だと思いますが、それもそのはず、私が考えました。
People with Down syndrome View の略です。
インターネットの世界では一般的な用語であるPV(Page View ページビュー)。
ウェブサイトで公開されているページが表示された回数です。ユーザーが一人でもたくさんのページを見ればPVはあがります。
それを借用して一般の人が目にするダウン症のある人の数、と定義したのがPDVです。
ダウン症のある赤ちゃんの誕生は800から1000分の1人という統計データがありますが、それは一般的にあまり会うことが無い人であることを意味します。
そんな普段あまり会うことのないダウン症のある人。
だからこそ、いろんな想像や妄想でこうじゃないか、みたいなダウン症像が出来上がってしまうわけです。
興味深い資料があります。
出典は内閣府「障害者の社会参加促進等に関する国際比較調査の概要」。
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/tyosa/hikaku/gaiyou.html
障がいのある人を前にした時に意識してしまうかどうかを調査した各国の調査結果です。
日本では「あまり意識をしないで接する」と答えた人が36%でしたが、
欧米では「あまり意識をしないで接する」と答えた人は90%近くでした。
日本は欧米と比較して障がいのある人に対して特別と思う割合が突出して多いのです。
これは障がい者にあう回数が日本では低いからではないかな、と思うわけです。
最近でこそマスコミや雇用などで障がい者を見かける人は増えてきましたが、まだまだ足りない。
私の経験ではダウン症のある人に初めて会った人が口を揃えて言うことは、意外と普通じゃん、ということ。
そうなんです。
百聞は一体験にしかず、実際に会うとその後の印象はガラッと変わってしまうのです。
ダウン症のある人と会う、見る、知る、機会が増えれば、もっとダウン症のあることが一般的になると思うのです。
ダウン症のある人やその家族の方々が、テレビや新聞、インターネットを通じてブログ、facebook、twitterなどを通じて間接的に「ダウン症」を知ることで「ダウン症」に対する考えや価値観は変わってくるでしょう。
例えばバディウォークを開催してテレビや新聞に取り上げられた場合、
関東地区でざっくり600万人が間接的にダウン症を知ることになります。(TVは視聴率の高い時間帯のニュースに出ることを想定)
全国で取り上げられれば、もっと多くの人が知ることになるでしょう。
テレビの視聴率1%に対する個人数は以下となります。
個人視聴率 1%に対する人数
関東地区 407,460
関西地区 158,610
名古屋地区 92,260出典)視聴率からの視聴世帯・人数の推定 | ビデオリサーチ
http://www.videor.co.jp/rating/wh/13.htm
例えばNHKのニュースで取り上げられた場合の視聴率、視聴者数(関東地区で計算)は以下となります。
NHK
ニュースおはよう日本・5時台 2.1% 約86万人
ニュース(12:00) 9.2% 約374万人
ニュース7(19:00) 12.6% 約513万人出典)NHK 2014年6月全国個人視聴率調査
https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/research/report/2014_09/20140904.pdf
例えば毎日新聞で取り上げられた場合、全国版か地方版、朝刊か夕刊で読者数が変わります。
朝刊
全国 3,326,979
東京 1,307,727
大阪 1,274,533夕刊
全国 973,760
東京 300,336
大阪 581,148出典)全国の販売部数|毎日新聞社広告局
http://macs.mainichi.co.jp/now/section05/
さらにインターネットを通じてブログやSNSを通じて拡散することで、もっと多くの人が「ダウン症」を知ることになります。
PDVを上げていけば、10年後、20年後の未来の日本では「ダウン症」がもっと一般的になり、「あまり意識をしないで接する」人が増えるでしょう。
余談ですが、2014年の一年間でDS21.infoへ訪れた新規ユーザーは約16万人でした。
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新規、リピータを含めた検索トップ10です。
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これを除くと1位は「ダウン症 顔」、2位は「羊水検査」に関するもの、3位は「ダウン症 結婚」です。
1,2位は当事者ではない人の検索が多いのではないのかと思います。
この人たちが少しでもダウン症のイメージが変わったのであれば、サイトとしての役目を果たせたのだと思います。
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