ABLE法を成立させる動き
Posted on 7月 24, 2014 by DS21.info
アメリカで障害者の低賃金や医療制度の改善を求めたABLE法を成立させようという動きがあります。
その中心人物は全米ダウン症協会(NDSS)の役員でもあるサラ・ウォルフ。
もちろんNDSSも強力にバックアップしています。
#passtheABLEact のハッシュタグを付け、インターネットの障害者関連、ダウン症関連のサイトで盛り上がりをみせています。
サラ・ウォルフ(31歳)は法律事務員として週3日働き、月の給料はたったの700ドル。
今まで昇給したことがありません。
サラは言います。
「私が働いている職場の上司は私の賃金を上げたいと思ってもできないのです。」
それはサラにはダウン症があるからです。
障害者が多く稼ぐと、メディケイド(アメリカの医療保険制度)の資格が無くなってしまうのです。
40年前につくられた法律では、サラはたった2000ドルの貯金と月に700ドルの給料と決められているのです。
アメリカの医療保険制度は、基本的に個人が民間企業の保険に加入して、必要な場合に医療費を給付してもらう制度となっているため、低所得者や障害者には不利です。
そこで公的医療保険制度として1965年に創設されたのがメディケイド。
しかし、メディケイドでカバーされていない保険サービスもあり、低所得になる傾向にある障害者にとってはメディケイドがあれば安心かといえばそうではありません。
そこで考えだされたのがABLE法。
Achieving a Better Life Experience (ABLE) Act、
より良い人生の経験を達成する、法案です。
長期的に障害者を支える行政のサービスの資格を得るための法案です。
ABLE法により何百万人もの障害者の賃金は上がり、最も重要なことは将来のための貯金が可能になります。
自閉症スペクトラムやダウン症などの長期的な障害を持つ人々にとって、住宅や教育のような(生きていくうえで)重要な費用に対する減税措置を受け、メディケイドや政府のサービスは継続される、といったメリットがあるのです。
上院議員ボブ・ケーシーは言います。
「それ(ABLE法)は魔法の杖ではありませんが、(障害のある子供を持つ)両親にいくつかの安らぎを与える一つの方法でしょう。 」
ニュースソース:
Congress comes together to help the disabled save, tax-free
参考)
・メディケイド(wikipedia)