タイのインクルーシブ教育
Posted on 1月 28, 2014 by DS21.info
タイのインクルーシブ教育について2012年の記事がありましたのでご紹介します。
タイの社会では厳格な階層があり、インクルーシブ教育実現のためには政治家や学校の指導者の両方から強いコミットメントが必要です。
過去10年間、普通学校へ障害のある子供を通わせる保証システムをつくるため、重要な政治的進展がありました。
しかし、文化の壁と一部の校長からの抵抗で、完全にインクルーシブ教育への実現はまだはじまったばかりです。
元イギリス国籍でダウン症の息子を持つ父ポール・レノンは言います。
「私が(インクルーシブ教育に対し)無償で働くことを申し出たとしても、彼らはまだ納得していません」
6年前、彼はタイ南東部のチャンタブリ県で息子のために普通学校を探し始めましたが、地域の校長は拒否しました。
1999年に施行された教育法のポスターでは「学校に行くことを望むすべての障害者が学校に通うことができます」と書かれているのに。
おそらく、すべての障害児は州の教育を受けられますが、それは(チャンタブリ県で)制限的な意味だったのでしょう。
ポールに対し、一部の普通学校の校長は、インクルーシブ教育の概念に理解を示しましたが、ヒューマンリソースやトレーニングが不足していているために実施できないという雰囲気の回答でした。
1999年の教育法はいくつか成功しています。
2000年から2004年の間に、障害のある学生の数は145,000人から187,000人に増加しました。
政府が定義したインクルーシブな学校で18,000人以上が教育を受けました。
そんな中、2004年、サラコセス(Sarakoses)夫妻が「Good Child Foundation」を創設。
インクルーシブ教育に向けたサポートを行う財団です。
ビジョンは教育に恵まれない子供を改善すること。
ポールも支援しています。
「Good Child Foundation」が介入しなければ、Nueyというダウン症の少女(6歳)は親元から80kmも離れた寄宿舎へ送られていたでしょう。
Nueyの話はタイにおける障害者の文化的な複雑さを表しています。
「タイにおけるインクルーシブな学校のモデル」の著者であるSermsap Vorapanyaは説明します。
「(タイにいる)ほとんどの仏教徒は輪廻転生を信じている、という点が重要です。障害は前世での結果から導かれた失敗だと広く考えられています。」
上座部仏教の教えによって、障害児がいることを恥ずかしく思っている家族がいるとレポートしています。
しかし、 Vorapanyaの研究では多くの学校の校長がインクルーシブ教育をサポートする理由として、仏教信仰である「思いやりの必要性」を引用していると言います。
首都バンコクにある私立学校Meanprasatは、西洋風の「児童中心主義」の道徳倫理や仏教精神、定期的な瞑想を学び、国をリードするインクルーシブ教育の実践校として認められています。
1,300人の学生のうち130人が障害者です。
学校の哲学は障害のある子どもたちが「社会と混合する機会を持ち、それを受け入れられるべきである」。
毎年5,000人以上の教師が訪問し、良い習慣を広めるために開催されるワークショップに参加しています。
ニュースソース:
・Thailand takes first steps on long road to inclusive mainstream education
・Good Child Foundation