脳内タンパク質を増やすことで認知機能と行動改善の可能性
Posted on 3月 29, 2013 by DS21.info
米カリフォルニアの研究者がダウン症候群のある人の脳内のタンパク質の欠乏が学習と記憶に影響を与える原因であると2013年3月24日の総合科学誌「ネイチャー」に発表しました。
研究チームはダウン症候群のマウスで脳内の(減少した)タンパク質を元の状態に戻すことで認知機能と行動が改善することを発見しました。
統括研究者であるHuaxi Xu博士(スーサンフォード-バーナム医学研究所)は言います。
「私たちはマウスの実験で『SNX27』というタンパク質が脳機能と記憶形成に対し非常に重要であるということを発見しました。」
「ダウン症候群においてSNX27の欠如が発達上で認識の欠陥に部分的な影響があると私たちは考えています。」
SNX27が少ないマウスでは活発なグルタミン酸塩受容体が少なく、結果、学習と記憶能力に問題がありました。
SNX27が不足しているマウスはダウン症の特徴に類似していたため、
ダウン症のある人の脳を調査したところ、同じようにSNX27が少ないことがわかったのです。
そこで研究チームは対象マウスの脳内にあるタンパク質の濃度を上昇させたところ学習と記憶能力の改善がみられました。
ダウン症協会の最高責任者・キャロル・ボイズは言います。
「この研究は興味深いですがダウン症の遺伝子、その原因は非常に複雑です。
ダウン症のある人々の認知能力改善・治療までにはまだまだ時間がかかるでしょう。」
ニュースソース:Down’s syndrome ‘linked to brain protein loss’