今年、スネイリーズ福田さんが3箇所のバディウォークに参加して感じたこと

Posted on 11月 21, 2018 by

 

●Loveフォトプロジェクト love_photo3016 後藤京子

ダウン症のある子どもをもつ母親、福田さんがプロデュースするユニバーサルデザインの通園・通学グッズ、スネイリーズ

今年、福田さんは中学生になるお子様と三都市(京都→仙台→大阪)のバディウォークに出店、参加しました。

親子で全国を巡る旅は、まるでロードムービーのようでした。

DS21.info
こんにちは、まずスネイリーズの紹介をお願いします。
スネイリーズ
『スネイリーズ』の商品は、ダウン症を持って生まれてきた長男が扱いやすいように工夫して手作りした通園・通学グッズが元になっています。

ダウン症のある子供は指の力が弱い。動作がゆっくりで時間が掛かる。
そんな「ダウン症にとっては当たり前」な事は、「時間をかければできる」事でもあります。

ただ、実際の集団生活で必ずしも待って貰えるとは限りません。
お友達や先生が手伝ってくれる。

それはそれで有り難い配慮ですが、当事者にとって「達成感」は得られません。

健常のお友達と一緒の集団生活の中で、「できないから手伝って貰う」のではなく、「じぶんでできる」(=自信になる)にフォーカスして企画しています。

息子には、ちょっとだけ簡単にできるように工夫することによって「じぶんでできる」達成感、自信を持って貰いたくて作ったグッズ(シューズケース、カトラリーケース)が元になっています。

今では、保育園の先生のご意見(脳を育てるあづま袋)や作業療法士の先生からの提案(サワコ先生の風呂敷シリーズ)もラインナップしています。

今後は保護者の方のリクエストを元に、公共機関を使って外出するときのためのパスケース(手帳や定期・鍵や小銭などを入れられるもの)を商品化する予定です。

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ネット通販をメインにしたスネイリーズが今回、各地のバディウォークに参加したのはなぜですか?
スネイリーズ
普段はネットショップのみで販売しているスネイリーズですが、
今回、三都市(京都→仙台→大阪)を巡るバディーウォークに出店したのは、より多くの方に実際に見て頂き、手に取って頂いて、私のこだわりどころ=「子どもの自信を育てる」を実感して頂きたかったからです。
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自信を育てること、にこだわる理由はなんですか?
スネイリーズ
きっかけは、思春期に入る頃に現れた長男の姿にショックを受けたからです。

それまでそれなりにのんびり順当に育ってきた息子(現在、中学生)なのですが、
成長して自分の周りの世界が見えるようになったら、
自分がひとよりうまくできないことに気付きました。

健常児(弟)と自分を比べて、息子は自信を失ってしまいました。
プライドが傷つき、急に自信がなくなってチャレンジする意欲が失せてしまったのです。

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なるほど
スネイリーズ
特に息子は指をうまく使えない、というところに自信が持てませんでした。

当時、本人の成長が逆に意欲を失わせてしまう、ということに驚きましたが、
反面、もう少し早く指を使うスキルを高めておくべきだったなと思いました。

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確かに成長とともに周囲の人と自分を比べてしまって、逆に落ち込んでしまう、同じ人間としてよくわかります。
スネイリーズ
そんな気づきもあって、今、スネイリーズにある商品の中には、本人が使うことで知らず知らずのうちに指の機能が育つように工夫をしたものもあります。

これから集団生活に入るお子さん達には、ぜひ「じぶんでできる」喜びと、「揺るぎない自信」を身につけて貰いたいと考えています。

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親として体験したことが製品開発に活きてるのですね。
DS21.info
いま、お子様は自信を失ったままなのですか?
スネイリーズ
完全に自信を取り戻した、という所までには至っていませんが、本人の中では得意不得意があることをそれなりに理解し、やり過ごしているようです。
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自分の得意、不得意を認識しているのは成長ですね。
スネイリーズ
今回、各地のバディウォークに参加したのは、長男に「君には君の仲間がいるんだよ。」ということを体感させたいという意図もありました。

彼自身を育てた親の経験から商品がうまれ、「(私の)サポートをする」という彼にしかできない役割で、自信を復活させるきっかけにしたいという意味もありました。

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親子でうまれた商品を持って全国を巡る、ロードムービーのようですね。
スネイリーズ
実際、彼が荷物を半分持ってくれなければ出店は不可能でした。

私がスネイリーズの商品を持って、長男は二人分の着替えその他を運んでくれました。

DS21.info
さすが、中学男児、力仕事は役に立ちますね!
スネイリーズ
いやいや、最初はこんなに役に立つなんて想像もしていませんでした。

これもバディーウォークに参加したからこそわかったことです。
私の中では長男のいい部分を見いだすいい機会にもなりました。

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バディウォークに参加することでお子様の新しい発見があったというのは素敵なエピソードですね。
スネイリーズ
社会科が好きな長男、あちこち行くことで一層地理に興味を持つ、という副産物もありました。

これは、地理が苦手な次男よりも長男の方がいろいろなことを知っている、
詳しい、という「自信」を持つにうってつけのきっかけにもなりました。

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それは面白いですね!君には君の仲間がいる、ということは、お子様は理解されました?
スネイリーズ
3年前、初めてバディウォーク(東京)に参加したときは「俺はダウン症じゃない!」なんて口にしたのでその葛藤の深さにどうしようかと思ったものですが、今では自然に受け入れ「同じダウン症の仲間」だと思っています。
DS21.info
バディウォークに参加することでアイデンティティが育まれるのは素晴らしいです。

実際、1回目(京都)、2回目(仙台)、3回目(大阪)、バディウォークを歩かれたお子様はどんなことを感じたのでしょう?

スネイリーズ
何を感じたか…本人に聞いてみましたが、さすがにまだそれを表現するほどの力はないですね。
「(楽しかったのは)炭酸飲料を飲んだこと」とか言っていますf(^_^;

ただ、土地土地で一緒に遊んだお友達がいますので彼なりに何か感じたことはあると思います。

何より「今度はどこ?」と次に行くバディウォークを楽しみにしてくれているのは嬉しいですね。

DS21.info
きっと、今回の参加が将来の何かに繋がっていくのでしょうね。
DS21.info
今回、参加されたバディウォークで印象的なことがあれば教えてください。
スネイリーズ
京都では、ものすごい偶然の再会がありました。
ブースを訪ねてくださったSさん。
実は、一昨年(2016年)開催の東京のバディーウォーク後に開催された懇親会でご一緒させて頂いた方でした。
今は、兵庫にお住まいだとかで、京都には1時間半近くかけていらしたそうな。
京都でまさか東京でお会いした方と再会するとは思わず、びっくり。

丁度、「スネイリーズのLine@でお友達登録をしてくれたらくじ引き」というのをやっていて、見事カトラリーケースをGETして頂きました(^^)
これもご縁ですよね。

DS21.info
ご縁ですね~
スネイリーズ
他にも遠く新潟から参加された方や、きょうだい児の育児の悩みなど同じ保護者目線でのお話しをさせて頂いたりしました。
外国から京都に旅行で来て、たまたまその日岡崎公園を訪れてバディーウォークの目的(ダウン症の啓蒙)を知り声をかけてくださった方がいました。
その弟さんがダウン症持ちだとかでこのイベントの意義に感動してくださったり・・・、バディーウォークの「繋がる」という側面を実感しました。
DS21.info
興味深いお話、ありがとうございました!
 




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