単語Downの起源
Posted on 8月 15, 2018 by DS21.info
今回はDownという単語のお話です。
私たちダウン症のある子供を持つ親にとって、大変馴染みの深い単語Down。
もちろん、Down Syndromeの由来はイギリスの眼科医John Langdon Down博士の名前が由来でDownという単語そのものではありません。
しかし、一般的にDownという単語はUp/Downの方向を示す意味であり、ビートルズの曲『Don’t let me down』よろしく、がっかり、落ち込ませる、といったネガティブなイメージがあることも事実で、これが『ダウン症候群』という名称に誤解を与えてしまう原因にもなっています。
Down SyndromeのDownは人の名前、なんですけどね。
そんなわけで単語Downの起源は何か、を調べてみました。
現在のDownは紀元前750年ごろのゲルマン祖語では dūnaz や dūnǭ と砂丘(sandhill, dune)を意味していたそうです。
5世紀半ばから12世紀を中心にイングランドで使われた古期英語、アングロ・サクソン語ではdūn、中期英語では dounと変化。
その由来は、おそらくケルト祖語 dūnomで 砦 (hill, hillfort)だと考えられています。
さらに興味深いことに印欧祖語まで遡ると、現在のtown(町)はdown と同じ語源(砦)なのだそうです。
Downはネガティヴどころか、砦が語源とは何だか守ってくれるみたいで心強いですね。
参考)
down – Wiktionary
https://en.m.wiktionary.org/wiki/down
hellog~英語史ブログ #1395. ”up” and ”down”
http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/2013-02-20-1.html